加齢で口の機能に変化?むせや噛みにくさの理由と早期の対策法|天童市の歯医者|とがし歯科医院

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加齢で口の機能に変化?むせや噛みにくさの理由と早期の対策法

加齢で口の機能に変化?むせや噛みにくさの理由と早期の対策法

夕食の汁物でむせる回数が増えたと感じたら


温かい味噌汁をひと口すすった瞬間、思わず咳き込む。好物の煎餅を噛むと、以前とは違う手応えを覚える。「年のせい」と片づけられがちな小さな変化ですが、噛む・飲み込む働きを支える筋肉や唾液が少しずつ移り変わっているサインである可能性もあります。口の働きが落ちると食事内容が偏り、全身の筋力にも影響が及ぶことがあります。この記事では、変化が起こる仕組みから、ご自宅で確認できる兆候、今日から始められる体操、歯科医院での検査までを順に整理していきます。


この記事の要点まとめ


  • むせや噛みにくさは加齢に伴う筋肉や唾液の変化が要因とされ、早期の把握が大切です。
  • 自宅で行える唾液腺マッサージやパタカラ発声体操は、口の機能維持に役立つとされています。
  • 歯科医院の検査で状態を数値で確認し、全身の健康につながる適切なケアを検討できます。


加齢によって口の機能に変化が起こる仕組みと自覚しやすい症状

加齢によって口の機能に変化が起こる仕組みと自覚しやすい症状

口は「噛む」「飲み込む」「話す」の三つを同時にこなす器官で、そのどれもが筋肉と粘膜、唾液の連携で成り立っています。年齢を重ねると腕や脚の筋肉が変化していくように、口まわりの筋肉も少しずつ移り変わります。そこに歯の摩耗や歯ぐきの退縮といった構造の変化が重なると、以前と同じ感覚では食べにくさを覚えることがあります1


噛む力の低下と唾液の減少がもたらす口内環境の違和感


噛む動作を担うのは、こめかみから顎にかけて広がる咀嚼筋の集まりです。使う頻度が減ったり全身の筋肉量が落ちたりすると、この咀嚼筋も出力を保ちにくくなると考えられています。やわらかい食事が続くほど筋肉への刺激が減り、さらに噛む力が出しにくくなる——この循環には注意が必要です。


長年の使用で歯の噛む面がすり減る咬耗、歯ぐきが下がって歯根が露出する歯肉退縮も、噛み合わせのバランスを静かに変えていきます。硬い煎餅を噛んで「以前と手応えが違う」と感じるのは、筋力と歯の形態、両方の変化が重なった結果とみられます。


もうひとつ見落とせないのが唾液です。食べ物をまとめて飲み込みやすい塊にし、口の中を洗い流し、粘膜を守る働きがあります。服用中の薬の影響や水分摂取量の減少が重なると分泌量が落ち、口の乾き(ドライマウス)が起こりやすくなります。唾液が減ると、噛む力そのものは保たれていても食べ物がまとまらず「飲み込みにくい」と感じることがあります。乾燥は舌苔の付着や味覚の感じ方の変化、口臭の気になりやすさにつながることもあります。


汁物のむせや滑舌の低下が示す舌・喉の筋力変化


飲み込む動作は、舌が食べ物を喉へ送り、喉頭が持ち上がって気管の入り口をふさぐという、コンマ数秒単位の連携です。舌や喉の周囲の筋肉の反応がわずかに遅れると、このタイミングがずれ、液体が気管側へ流れ込みやすくなります。汁物やお茶など、まとまりにくくスピードの速い液体でむせやすいのはそのためと説明されています。


滑舌の変化も背景は同じ。「サ行が言いにくい」「早口だと舌がもつれる」といった感覚は、舌の細やかな動きが落ちているサインの一つかもしれません。会話と食事は同じ筋肉群を使うため、話しづらさと食べづらさが並行して現れることも少なくありません。


むせが続く状態では、食べ物や唾液が気管に入って起こる誤嚥性肺炎につながる可能性も知っておきたいところです2。口の中の細菌量を減らす日々のケアは、こうした備えとしても意味を持つと考えられています4


年のせいと見過ごされがちな「オーラルフレイル」の判断基準


「オーラルフレイル」とは、口まわりのわずかな衰えが積み重なり、食べる力や人との関わりの低下へつながっていく流れを指す考え方です。やっかいなのは、一つひとつの変化が小さく本人も周囲も気づきにくい点。裏を返せば、早い段階で気づけば対応を検討しやすい時期ともいえます1


自然な加齢変化と機能低下を見極めるセルフチェック基準


医学的な判断は歯科医院での検査が前提ですが、ご自宅で状態を振り返る目安としては次のような項目があります。


  • 半年前と比べて、硬いものが食べにくくなった
  • お茶や汁物でむせることが月に何度もある
  • 食事に以前より時間がかかる、または食べこぼしが増えた
  • 口の渇きが気になり、水がないと食事が進みにくい
  • 滑舌の変化を自分や家族が感じている
  • 錠剤が飲み込みにくいと感じることがある

一つ当てはまったからといって、すぐ異常と決まるわけではありません。ただし複数が重なり、それが数ヶ月続いているようなら、自然な変化の範囲を超えている可能性も考えて相談先を探す段階かもしれません。保険診療には「口腔機能低下症」という病名があり、咀嚼能力や舌の力、唾液量など複数の項目を測定したうえで診断されます。感覚として捉えていた状態を数値で確認できる点が、セルフチェックとの違いです。


口の働きの衰えが全身の筋力や活力低下につながる連鎖


噛みにくさがあると、人は無意識に食べやすいものを選びます。肉や根菜、繊維の多い野菜が食卓から減り、麺類やお粥、パンといったやわらかい炭水化物中心の献立へ傾いていく。この変化は、たんぱく質やビタミンの摂取量を静かに削ります。


食事内容が偏れば筋肉の材料が不足し、全身の筋肉量が保ちにくくなる。歩く速度が落ち、外出の機会が減り、さらに食欲が湧きにくくなる——こうした連鎖は高齢期の健康課題として広く知られています2口の変化は、全身のコンディションを映す早期のサインとして捉える価値があります


人との関わりへの影響も見逃せません。「むせるのが気になって外食を控える」「滑舌が気になって会話が減る」といった行動は、生活の張りを少しずつ細らせていくことがあります。歯周組織の炎症が全身の健康状態と関連する点も指摘されており4、日々の口腔ケアと機能の維持は同じ方向を向いた取り組みだと考えられます。


自宅で今日から取り組める口の機能維持トレーニングと工夫

自宅で今日から取り組める口の機能維持トレーニングと工夫

口まわりの筋肉も、腕や脚と同じで使えば刺激が入ります。特別な器具は不要で、歯みがきのついでや食事の前といった「ついで」の時間に組み込めるものばかり。大切なのは強度より継続です。1日数分でも毎日続けるほうが、週末にまとめて行うより負担が少なく習慣になりやすい傾向があるといわれます1


唾液の分泌を促す唾液腺マッサージと食事前の習慣


唾液は主に三つの腺から分泌されます。外側から軽く刺激すると、食事前の分泌を促しやすくなると考えられています。


  • 耳下腺:上の奥歯のあたり、頬に指4本を当てて円を描くように10回ほど
  • 顎下腺:顎の骨の内側のやわらかい部分を、親指で耳の下から顎先へ向けて5ヶ所ほど順に押す
  • 舌下腺:顎の先端の内側を、両手の親指で下から軽く押し上げるように10回

いずれも痛みを感じない程度の力加減で構いません。食事の直前に行うと、最初のひと口が飲み込みやすくなったと感じる方もいます。


あわせて食事の環境も整えておきたいところ。背筋を伸ばして軽く顎を引いた姿勢だと、飲み込むときの気道の閉じ方が保たれやすくなります。汁物にとろみをつける、飲み込みにくい食材は繊維を断つように切る、ひと口の量を少なめにする。こうした工夫もむせにくさにつながることがあります。水分は一度に大量ではなく、こまめに摂るほうが口の乾きを防ぎやすいでしょう。


舌と口周りの筋肉を保つパタカラ発声体操の実践法


「パ・タ・カ・ラ」の四音は、それぞれ食べる動作に関わる筋肉を使います。


  • :唇をしっかり閉じて開く。食べ物をこぼさず口に留める力
  • :舌先を上顎の前方につける。食べ物を押しつぶし、喉へ送る力
  • :舌の奥を持ち上げる。飲み込む瞬間に気道をふさぐ動きに関連
  • :舌を丸めて上顎につける。食塊をまとめる舌の細やかな動き

やり方はシンプルです。一音ずつはっきり大きめの声で「パパパパパ」と5〜8回、これを四音分。続けて「パタカラ」と通しで数回発声します。朝の身支度のときと夕食前など、1日2回が目安。頬をふくらませて空気を左右に移す運動や、舌を上下左右へ大きく動かす運動を加えると、口の中全体に刺激が届きます。


入れ歯をお使いの方は、装着したまま行って痛みや外れやすさを感じるようなら、無理をせず調整をご相談ください。顎の骨や歯ぐきは年月とともに形が変わるため、長く使っている義歯は定期的な適合の確認が必要になります。合わない状態のまま使い続けると、噛む力を十分に発揮しにくくなることがあります。


天童市で口の違和感に気づいたときの歯科医院での検査と相談


セルフチェックと体操は状態を保つ土台になりますが、「どの機能がどの程度変化しているのか」をご自身で見極めるのは難しいもの。歯科医院では、感覚として捉えていた変化を数値や画像に置き換えて確認できます。


唾液の状態や噛み合わせを客観的に把握する院内検査


口腔機能に関わる検査には、唾液の量や性状の確認、噛む力の測定、舌や口唇の動きの評価、粘膜の乾燥度の確認などがあります。歯そのものの状態や歯ぐきの炎症、歯を支える骨の状態は、レントゲンや歯周組織の検査で把握します4


当院では、唾液検査器シルハによる唾液の状態確認、口臭測定器オーラルクロマ、位相差顕微鏡による口腔内の細菌の確認といった機器を用意しています。さらに体成分分析装置InBodyを導入しており、お口の状態に加えて全身の筋肉量まで数値化して確認できる点が当院の特色です。口の変化と全身の筋力の関係を一緒に見ていけるため、「口だけの問題なのか」を考える材料になります。公式サイトでも「お口の状態に加え、筋肉量や身体の歪みまでを数値化して測定し、将来の健康を守るためのアドバイスを行います」とご案内しているとおり、当院は口腔機能低下症(オーラルフレイル)への対応を診療の柱の一つに位置づけています。


入れ歯をお使いの場合は、適合の確認も同時に行えます。院長は40年以上にわたり入れ歯治療に携わり、咬合圧や咀嚼機能を数値で計測したうえで調整を進めています。


天童市で生涯現役の食生活を守るための定期受診の目安


受診のタイミングは、「むせる頻度が以前より明らかに増えた」「食べにくい食材が増えた」と感じた時点。痛みがないからと先延ばしにするより、変化の初期に一度測っておくほうが、その後の経過を見ていく基準ができます。自覚症状が特にない場合でも、60歳を過ぎたら年に2〜3回の定期的なチェックを一つの目安にしてみてください1


通い続けられるかどうかも大切な視点でしょう。当院は天童市久野本、天童郵便局のすぐ近くにあり、駐車場を18台分用意しています。完全予約制で月曜から土曜まで昼休みなしの診療のため、再雇用でお勤め中の方も予定を調整しやすい体制です。WEB予約は24時間受け付けています。


院長は「患者さんが些細なことでも相談しやすい雰囲気をつくり、皆さんの声に丁寧に耳を傾けます」との姿勢を掲げています。むせや噛みにくさは口に出しにくい話題かもしれません。それでも、気になった段階でお話しいただくことが、その後の選択肢を広げます。まずは現状を知るところから始めてみませんか。


よくある質問


Q1. むせるのは年齢のせいだと思うのですが、歯科医院に相談してもよいものでしょうか。


A. 差し支えありません。むせは飲み込む働きに関わる変化のサインとして捉えられるため、歯科での相談対象になります。検査で状態を確認したうえで、体操やケアの方法をご提案できる場合があります。特に所見が見られなかったとしても、その時点の数値を記録しておけば、後から見返すときの手がかりになります。


Q2. パタカラ体操はどのくらい続けると変化を感じられますか。


A. 感じ方には個人差が大きく、期間を一律にお伝えするのは難しいところです。筋肉に関わる取り組みは、一般に数ヶ月単位で捉えるものとされています。急がず、歯みがきの前後など既にある習慣とセットにして、続けやすい形を作ることをおすすめします。


Q3. 口腔機能低下症の検査は保険が使えますか。


A. 一定の条件を満たす場合、保険診療の対象となる検査があります。年齢や症状の内容によって適用が変わりますので、受診時にご確認ください。当院でも検査内容と費用の目安を事前にご説明します。


Q4. 入れ歯を使っていますが、口の体操はしても差し支えありませんか。


A. 基本的には装着したまま行って構いません。ただし痛みが出る、外れやすいといった状態であれば、まず適合の調整をご相談ください。顎の骨や歯ぐきは年月とともに形が変わるため、長くお使いの義歯は定期的な確認をおすすめしています。


Q5. 口の乾きが気になるのですが、水を飲む以外にできることはありますか。


A. 唾液腺マッサージやよく噛む食事のほか、室内の加湿、就寝時の口呼吸への対策なども関わってきます。服用中のお薬が影響していることもあるため、お薬手帳をお持ちいただくと相談がスムーズです。


参考文献


1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/

2. 厚生労働省(政策・健康情報の入口) https://www.mhlw.go.jp/

4. 日本臨床歯周病学会 https://www.perio.jp/


冨樫 雅比古

歯科医師


とがし歯科医院

院長

冨樫 雅比古

▶ 監修者プロフィール

経歴
1983年3月
神奈川歯科大学歯学部 卒業
1983~1984年
田中歯科医院 勤務
1984~1988年
鈴木歯科医院 勤務
1988年4月
とがし歯科医院 開院
資格・所属学会
歯科医師
本田式口臭治療認定医